冷蔵庫の電気代が半分なら、買い替えどき? 5年総額で考える
電気代が半分になる冷蔵庫でも、まだ動く一台を手放す方が高くつくことがあります。一方、故障して買う必要があるなら、省エネ品への少しの上乗せで、その後の負担を減らせる場合もあります。
最初に決めるのは「今の機器を使い続けるか」と「どの新品を買うか」のどちらを比べるのか。 下の架空例では、同じ5年間で前者は買い替えが65,000円高く、後者は省エネ品が2,500円安くなります。節約額だけでなく、今日から払う総額を見ましょう。
支出を三つに分ける
- 以前の購入代金: すでに払ったお金。今日の選択では変わらないため、今回の比較には足しません
- これからの購入費: 本体だけでなく、設置・処分など、今回必要になる初期費用
- 使う間の費用: 電気代を中心に、同じ終了日までにかかる費用
まだ使える機器を持つ人には、「今回は買わない」も選択肢です。故障していても修理できるなら、見積もりを取って別案に加えられます。以下の二つ目は、修理ではなく購入を選ぶと決めた後の比較です。
まだ動くなら、購入費も含めて比べる
冷蔵庫をイメージした、日本・日本円(JPY)の架空の例です。価格・使用量は説明用に置き、電気単価は一律30円/kWh。今日から5年間、使用量と単価が変わらず、どちらの機器も使える前提です。表には本体代、設置費、処分費、電気代を含め、すべて税込みの金額とします。
| 比べる項目 | 今の機器を使い続ける | 今買い替える |
|---|---|---|
| 今回支払う本体代 | 0円 | 100,000円 |
| 今回の設置費 | 0円 | 5,000円 |
| 今回の処分費 | 0円 | 5,000円 |
| 年間消費電力量 | 600kWh/年 | 300kWh/年 |
| 1年の電気代 | 18,000円 | 9,000円 |
| 5年の電気代 | 90,000円 | 45,000円 |
| 上記の費用の5年合計 | 90,000円 | 155,000円 |
この例では、今買い替えると5年間で65,000円多くかかります。 電気代は年間9,000円、5年間で45,000円下がりますが、購入・設置・処分に110,000円かかるためです。今の機器を以前買った代金は、どちらを選んでも戻らない過去の支出なので足しません。
追加費用110,000円を年間の節約9,000円で割った「単純回収年数」は約12.22年。節約がそのまま続くと仮定した値で、5年以内の回収には届きません。これは機器の寿命を予測する数字ではありません。
故障して買うなら、省エネ品の「上乗せ分」を比べる
故障し、修理ではなく購入が必要だと判断済みなら、新品同士を比べます。こちらも日本・JPYの架空例で、5年間、30円/kWhと使用量が一定、両機器が使える前提です。含む費用は同じです。
| 比べる項目 | 標準品 | 省エネ品 |
|---|---|---|
| 今回支払う本体代 | 90,000円 | 110,000円 |
| 今回の設置費 | 5,000円 | 5,000円 |
| 今回の処分費 | 5,000円 | 5,000円 |
| 年間消費電力量 | 400kWh/年 | 250kWh/年 |
| 1年の電気代 | 12,000円 | 7,500円 |
| 5年の電気代 | 60,000円 | 37,500円 |
| 上記の費用の5年合計 | 160,000円 | 157,500円 |
この例では、省エネ品を選ぶと5年間で2,500円少なく済みます。 上乗せ分20,000円に対して、電気代は年間4,500円、5年間で22,500円下がり、単純回収年数は約4.44年です。この小さな差は、追加の費用で逆転することもあります。
回収すべき金額は省エネ品の本体代110,000円の全額ではなく、標準品との差額です。ただし、5年合計には両方それぞれの購入費を入れます。
金額と、毎日の使いやすさを並べる
候補は、必要な容量・機能を満たすものにそろえましょう。そのうえで収納のしやすさ、扉の開き方、手入れのしやすさなども比べると、自分にとって追加費用を払う価値があるか考えやすくなります。電気代の節約と、暮らしの便利さはそれぞれ判断材料です。
基本の計算は「年間消費電力量 × 電気単価 = 年間電気代」。各選択肢について「今回の購入・設置・処分費 + 同じ期間の電気代」を出します。日本の冷蔵庫は、規定の試験方法に基づく年間消費電力量(kWh/年)を確認できます[1]。家庭での使用量は条件によって異なります[2]。表示の年間kWhは目安として、電気代は自分の契約単価で考えましょう。時間帯や使用量で単価が変わる契約では、その差も反映します。家電を替えても変わらない基本料金は、両案の差額にはなりません。
計算に含めていないもの
消耗品、修理、別途の送料・搬入費、追加工事、水道・ガス代、借入利息、補助金、下取り、比較終了時の売却価値は表に含めていません。必要に応じて選択肢ごとに足し引きします。除外した費用が、実際もゼロや同額とは限りません。物価変動や将来のお金の価値の違いも考慮していません。
途中で故障すれば、修理・購入費と以後の電気代を加えて同じ終了日まで比べ直します。修理も選べるなら別案に加えましょう。残存寿命などが不明な場合、この例だけでは実際にどちらが安いかは決められません。
単純回収年数は「追加の初期費用 ÷ 年間の節約額」です。追加費用が正で節約がゼロなら回収できず、節約がマイナスなら電気代も増えるため正の回収年数はありません。追加費用がゼロなら取り戻す初期費用はありませんが、その後の費用差は確認します。
出典と計算条件
公式資料の再確認日:2026年10月11日(UTC)。表は実在商品・現在の価格や料金を示すものではなく、30円/kWhも公的な目安単価ではありません。金額は円単位、回収年数のみ小数第2位に丸めています。
- 消費者庁「電気冷蔵庫」:「2. 消費電力量」。表示単位と規定の測定方法。
- 環境省「しんきゅうさん」冷蔵庫比較画面の注意事項:試験条件と実際の使用量の違い。
次にすること: 比べる2案と使う年数を決め、本体・設置・処分の見積額、年間kWh、契約の電気単価をそろえましょう。必要な機能を満たす候補で総額を比べるところから始められます。差が小さければ、追加料金一つで結論が変わらないかも確認しましょう。