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モバイルバッテリーの10,000mAhは何回分?Whと電圧から読む

10,000mAhのバッテリーなら、4,000mAhのスマホを2.5回充電できる。そう割り算したくなります。 充電回数を考えるには、双方をWhにそろえ、途中の損失も見込む必要があります。 買う前には、ためる量のWh、給電の速さに関わるW、持ち歩く重さを別々に見ましょう。

まずは「何回」より、何を足したいか

帰宅までの数時間をしのぐのか、コンセントのない一日を過ごすのか。最初に決めたいのは、その使い道です。夕方の不足分を足すだけなら、毎回0%から100%に戻す前提で選ぶ必要はありません。

手元の製品なら、本体の小さな文字や説明書で「電池容量」「Wh」「出力」を探します。購入前なら、商品名の大きなmAhだけでなく仕様欄へ進みます。スマホ側もメーカーの電池仕様を確認し、Whがあればその数値を使います。数字が見つからない場合は、型番を添えてメーカーに確認する方が確実です。

容量不足と思っていたら、実際には給電が遅く、地図や動画を使う消費に追いついていないこともあります。「長く使える量」と「今すぐ渡せる電力」を分けると、買い足す理由がはっきりします。

mAhには、対になる電圧がある

mAhは電荷の量を表す単位で、1,000mAhが1Ahです。蓄えたエネルギーの目安をWhで読むには、対応する公称電圧を掛けます。

Wh=mAh÷1,000×公称電圧V

たとえば、架空の電池が10,000mAh・3.7Vなら、10Ah×3.7V=37Whです。5,000mAh・7.4Vでも、5Ah×7.4V=37Whになります。mAhが半分でも、電圧が倍なら同じエネルギーの表し方になりえます。Whの算式を示すFAAの説明

ここで使う3.7Vは、この例の条件です。すべての製品の共通値ではありません。電池の種類や組み方で表示が変わり、セル容量を合計した数字と、組電池としての容量が併記されることもあります。違う欄のmAhとVを勝手に組み合わせず、メーカーが示すWhを優先します。電圧が異なる容量の比較について

公称電圧は、充電中ずっと一定という意味でもありません。ここでの掛け算は表示容量を読み比べる方法であり、一回の充電を測定した結果ではないのです。

USBの5Vを掛けると、話が変わる

本体の電池が3.7V基準でも、USB端子では5Vなど別の電圧に変換して給電します。USB出力の5Vを、内部電池の10,000mAhにそのまま掛けて50Whにするのは、異なる場所の数字を混ぜた計算です。

損失がない理想的な変換だけを考えると、37Whを5Vで取り出す量は37÷5=7.4Ah、つまり7,400mAhです。この段階でmAhが小さくなっても、37Whというエネルギーは減っていません。電圧が変わったためです。

同じエネルギーを違う電圧で読む図

実際には変換回路やケーブル、スマホ側の充電にも損失があります。さらに、充電しながらスマホを使う分は、電池にたまる以外の用途へ回ります。図の理想変換と、次の損失込みの例を分けて読むのが大切です。メーカーによる変換と充電損失の説明

「定格容量」という言葉だけでも判断しません。何V、どの出力条件での値なのかを一緒に確認します。内部の電池容量と、端子から取り出せる容量は、同じ基準の数値とは限りません。

架空のスマホで、一度だけ計算する

次は、計算の順番を見るための仮定です。実在製品の試験結果でも、一般的な効率の保証でもありません。

すると、37Wh×0.70÷15.4Wh=約1.68回分です。この70%にはモバイルバッテリー側からスマホの電池までの損失をまとめて含めています。ここから同じ損失をもう一度引く計算にはしません。

約1.68回分とは、この仮定で満充電相当のエネルギーを比べた値です。「必ず一回満充電にして、次に68%まで充電できる」という実使用の約束にはなりません。開始時の残量、温度、電池の劣化、充電方式、スマホの使用状況で結果が変わります。

製品の「約○回」も、対象スマホと試験条件を読みます。電源を切った端末での値を、撮影や通信を続ける一日の回数に置き換えないようにしましょう。効率が不明なら、小数まで出した一つの値に頼らず、自分の使い方で余裕を見ます。

表示容量をWhにそろえる

同じ電池についてのmAhと公称電圧Vを組み合わせます。USB出力の5Vなどを、内部電池のmAhに混ぜません。メーカー表示のWhがあればそれを優先してください。

入力はこのページ内だけで計算します。保存・送信はしません。

計算にはJavaScriptが必要です。元の記事の式と計算例は、そのまま読めます。

30Wなら、容量も大きい?

Whが蓄えたエネルギーの量なら、Wはその時点で渡す電力です。30Wと書いてあっても、30Whの容量とは限りません。大きなW数は、対応する機器へ速く給電できる条件に関わります。

出力欄のV×AでWを計算できます。たとえば9V・2Aなら18Wです。ただし、複数の出力モードは選択肢であり、全部を足してよいという意味ではありません。端末とケーブルの対応、単独使用か複数ポート使用かも確認します。入出力表示を読むメーカーの案内

同じ10,000mAhでも、重さ、端子、出力の配分は異なります。予備の量が欲しい人はWh、短時間で補いたい人は対応する出力条件を先に比較すると、必要以上に大きいものを持ち歩かずに済みます。

最後は、数字と普段の持ち物を合わせる

候補を二つに絞ったら、Whと出力条件に加えて、本体と必要なケーブルの重さを比べます。家で補充できる頻度や、毎日入れるポケットに収まるかも選ぶ条件です。残量表示は便利ですが、それだけであと何回充電できるかを正確に示すものではありません。

膨らみ、変形、異常な発熱があるものは、容量を確かめるために使い続けず、使用を中止してメーカーの案内を確認してください。安全な製品を通常どおり使う中で、自分の一日にどれだけ余裕が残るかを見るのが実用的です。メーカーの使用上の注意

飛行機に持っていく場合、Whの計算だけでは搭載の可否は決まりません。国土交通省の案内と、利用する航空会社・路線の個数、収納、機内での充電条件を出発前に確認してください。ANA国内線の例も、ほかの便へ一律に適用する規則ではありません。

大きなmAhを見たら、隣のVとWhも探す。そのひと手間で、「たくさん入りそう」から「自分にはこの量と出力が必要」へ、選び方を変えられます。