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虹は本当は丸い?弧に見える理由と探し方

いつもの虹を、地面の下へぐるりと描き足してみてください。そこに現れるのは、半円より大きな輪です。虹の形を決める光の方向は、見る人を基準にした円になります。 地上でよく見る弧は、その円の一部です。

ただし、見えない場所にも必ず色の輪が完成している、という意味ではありません。そこから目に光を届ける水滴も必要です。「虹は丸い」という話の面白さは、空に輪が浮かんでいることより、見る人の位置までが形の条件に入っているところにあります。

円の中心は、太陽の正反対

虹を探すときは、太陽を背にして、水滴のある空を見るのが基本です。太陽そのものを見つめる必要はありません。

自分の目から見て、太陽とちょうど反対の方向を「反太陽点」と呼びます。虹の円の中心はこの方向にあります。自分の影が見えるときは、影の頭の方向が手がかりになります。NASAも、虹の幾何学的な中心が反太陽点にあると説明しています。NASAの虹と影の解説

ここでいう中心は、空中にある特定の物体ではありません。太陽、あなた、反太陽点の方向を結ぶ一本の軸を考えると、虹の位置を理解しやすくなります。

約42度を、軸のまわりに一周させる

太陽光は水滴へ入るときと出るときに屈折し、その間に水滴の内側で反射します。色によって曲がり方が少し異なるため、戻ってくる光の向きが分かれます。ふだん目立つ主虹では、反太陽点の方向から測って、赤い外縁がおよそ42度の位置に見えます。これは虹の直径や地上の距離ではなく、目を頂点に測る角度です。米国立気象局の仕組みの説明

「中心の方向から約42度離れた向き」を、上にも右にも左にも並べる。この幾何学的な条件を一周させると、空の方向の上に円ができます。立体で考えるなら、目を頂点に、反太陽方向を軸にした円すいの表面です。

その向きに、太陽に照らされた水滴があれば、虹の光が目へ届きます。水滴が円形に並んでいる必要はありません。ばらばらに分布した水滴のうち、あなたの目へ適切な向きの光を返すものが、弧として見えているのです。

虹の円と地平線の図を開く

図の破線は、虹が必ず光っている隠れた部分ではなく、円の形を補ったものです。実際に見える範囲には、水滴、日差し、視界の条件が重なります。

太陽が高いほど、虹の見える部分は低くなる

太陽が地平線より上にあると、反太陽点は地平線より下に来ます。太陽が高くなるほど中心は下がるので、同じ角度の円でも、空へ出る部分は小さくなります。低い太陽のときには、高い弧を見つけやすくなります。

平らで開けた地平線を考え、太陽の高さが20度なら、主虹の赤い上端はおよそ22度。約42度から20度を引いた、単純化した見積もりです。建物や山が視界を遮ること、水滴の範囲が限られることまでは、この引き算では分かりません。

この見方なら、虹がいつも半円とは限らないことも説明できます。低い弧だけ見えたり、途中が欠けたりしても不思議ではありません。太陽の高さと虹についての気象局の説明

一周見えるには、足元側にも条件がいる

飛行機などからは、地上で遮られがちな下側の方向まで見渡せることがあります。その方向にも太陽に照らされた水滴があれば、全周の虹が見える可能性があります。高い場所へ行くだけで完成するわけではありません。英国気象庁の全円の虹の説明

地上に立ったまま、どんな虹でも一周見られる、とは言えません。今見えている虹の下端を追いかけても、地面に触れる固定の「端」に到着することはできません。観察する位置が変われば、光を返す水滴との関係も変わるからです。虹には決まった住所がない、と考えると少し楽しくなります。NOAAの観察者と虹の解説

外側にもう一本あったら、色の順を見比べる

主虹は、水滴の中で一度反射した光によるものです。さらに外側に淡い弧が見えたら、副虹かもしれません。副虹は内部で二度反射する光によってでき、主虹と色の順が逆になります。主虹は外側が赤、内側が紫。副虹では内側が赤、外側が紫です。NOAAの二重の虹の説明

二本が並ぶ様子は、同じ円がずれたコピーではありません。光の通り道が違うため、中心から見える角度も違います。次に二重の虹を見つけたら、「二本ある」に加えて、向かい合う側の色も見てみましょう。

次の虹では、三つだけ見てみる

晴れ間の出た雨上がりなど、安全な場所からできる観察で十分です。太陽を直接見ず、撮影のために道路へ出たり、崖や屋上の端へ寄ったりしないでください。雷鳴が聞こえるときは観察をやめ、安全な屋内へ移ります。米国立気象局の雷の安全情報

一周の虹を見つけなくても、いつもの弧から、太陽と自分と水滴の位置関係を読み取れます。次の虹は、色だけでなく「自分を基準にできた形」まで楽しめるはずです。

出典と確認範囲

気象機関とNASAの公開資料を2026年10月10日(UTC、日本時間11日)に確認しました。角度の引き算と図は、基本的な虹の幾何を使った独自の説明です。写真の転載、現地観察、見え方の実験は行っていません。