The Useful Question
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小さな動作を四コマで伝えてみる

机の鉛筆をペン立てに戻す。その数秒を、四枚の絵で伝えてみましょう。用意するのは紙と筆記具、または使い慣れた描画道具だけ。人物は手だけでも、物は丸や四角でもかまいません。今回は一つの動作を最後まで描き、途中でつながりが見えにくい一コマを直すところまで進めます。

四コマにするのは、この練習のための制限です。最後に驚きやオチを付ける必要はありません。始めと終わりで何が変わり、その間に何が起きたかを追えることを目指します。

動作を一文にして始めと終わりを決める

「部屋を片付ける」では、一つのコマにいくつもの動作が入りそうです。「鉛筆一本をペン立てに戻す」まで小さくすると、絵にする範囲を決められます。まず余白に、描きたい動作を一文で書いてください。人物の気持ちやせりふは、あとで考えます。

次に、最初と最後の状態を短く書きます。今回なら「鉛筆が机に寝ている」と「同じ鉛筆がペン立てに立っている」。この二枚で違いが見えるか、確かめましょう。「すっきりした」だけでは絵のどこを変えるか決まらないので、物の位置や向きに置き換えます。

MoMAの制作教材は、自分でコマを作ることや、場面の前後を考えて描くことを提案しています。ここから先の鉛筆の場面と四コマの配分は、この記事のために作った独自の練習です。MoMAの教材 PDF 2ページ

四つの枠に読む順番を付ける

紙に四つの枠を縦に並べ、上から1、2、3、4と番号を付けます。この例は上から下へ読みます。枠の外に下向きの矢印を添えてもよいでしょう。別の並べ方を選ぶ場合も、読んでほしい順番を自分で示します。

枠の中へ細かく描き込む前に、まず一コマ目と四コマ目を小さく描きます。右側にあるペン立ての位置をそろえてください。途中の二枚には、始めと終わりをつなぐ「つかむ」「差し入れる」を置きます。

オリジナル図と三コマ目の修正例を開く

図はこの記事のために作ったオリジナルです。絵の内容を順番に書くと、次のようになります。

鉛筆の上端近くには、見分けるための濃い帯を一本付けます。この目印を全コマで保ち、手で帯を隠さないようにします。色を塗らなくても、同じ一本を動かしていると示せます。

動くものと動かないものを分ける

この例で動くのは手と鉛筆です。ペン立ての位置を保ち、見る方向も変えません。三コマ目だけペン立てが左へ移ると、鉛筆を運んだのか、別の場所へ場面が移ったのか、余計な判断が必要になります。

同じ形を毎回きれいに写す必要はありません。そろえたいのは、何がどこにあり、どちらへ動いたかを見分ける手掛かりです。鉛筆の帯とペン立ての口を先に描き、そのあとに手を足すと、この練習では位置を確認しやすくなります。

手の描写に迷ったら、指を一本ずつ描き込まず、握っている輪郭を簡単に描いてみてください。ただし、鉛筆と手が離れて見えると「つかむ」が伝わりません。飾りよりも、触れている場所を残します。

飛んでしまった途中の一枚を直す

試しに三コマ目を「手だけが上がり、鉛筆は見えない絵」にしたとします。二コマ目では鉛筆をつかんでいるのに、次に見える鉛筆は四コマ目のペン立ての中です。入れる瞬間を省いたため、手がどこへ何を運んだのかを追いにくい草案になります。

この草案では、三コマ目だけを差し替えます。鉛筆の帯が見える長さを残し、縦にした鉛筆の先端をペン立ての口へ少し入れる。手はまだ鉛筆を持っている。そう描けば、二コマ目の「持つ」と四コマ目の「収まる」の間に、差し入れる途中の状態ができます。

コマとコマの間で、動作の全部を描く必要はありません。この例でも、鉛筆を持ち上げて右へ運ぶ間のすべての位置は省いています。省いた前後を見て、同じ物がどう動いたかつながるかを点検します。「入れました」と文字を足す前に、必要な途中の絵が欠けていないかを見てください。

言葉を足すなら絵にない情報を選ぶ

この作例は、せりふも擬音も使わずに描いています。自分の作品には、必要なら短い言葉を添えてかまいません。たとえば「ここに戻そう」というせりふなら、手の持ち主の意図を加えられます。絵と同じ内容の説明を各コマに重ねる必要はありません。

吹き出しを使うときは、誰の言葉か、どれを先に読むかを確かめます。この練習なら、一コマに一つから試すと配置を考えやすいでしょう。声や音の印象を形だけに任せず、必要な意味が言葉と絵で伝わるかも見ます。

国際交流基金の読解教材は、絵や言葉に加えて字体、吹き出し、題名も考え、口頭で説明せずに内容が分かるか確認する活動を紹介しています。この記事では、自分で読み返すときの問いとして使います。国際交流基金の教材 PDF 10ページ

一つ直したら小さな作品として残す

最初に書いた説明文を隠し、番号順に絵だけを追ってみましょう。

気になる箇所を一つ選び、そこだけ描き直します。直した版に「鉛筆を戻す」と題名を付ければ、今回の一編は完成です。誰かに見せるかどうかは自由。次を描くなら、別の小さな動作を一つ選び、また始めと終わりから考えてみてください。

資料確認日:2026年10月10日(日本時間)。作例は独自に構成したもので、読者による読みやすさの試験は行っていません。